【おはなし】
2021.6.15
気づいたとき、意識が生まれた瞬間といってもいいかもしれません、それは、それそのものであり、ただそれそのものという意識でした。そのまま果てしない時間がたったあと、あるときそれそのものは、ふと気持ちを抱きました。それはゆっくり膨らんでいきました。とても気持ちのよい、幸せなものでした。あるところまで膨らんだとき、それそのものは、この幸せな気持ちを渡したいと思いました。でもそれそのものはすでにその気持ちを持っているので、渡せないし。。それで、それそのものとはちがうものを想像してみました。ちがわないと、渡せないからです。ちがうもの、ちがうもの、、再び果てしない時間が流れた末に生まれたのが、「自分」と「自分とはちがうもの」、その二つでした。それそのものにとって、「自分とちがうもの」は、とても美しく感じました。幸せな気持ちを渡したいと思ったものって、こんなに美しいんだ、とそれそのものは思いました。これは闇と光、光の美しさと、闇から光へと渡された、愛の誕生のお話。